ポッドキャスト配信をスマホだけで完結させたいんだけど‥‥というアナタに

ポッドキャスト配信の工程を簡単に説明すると「録音 → 編集 → エンコード → アップロード」という流れになりますが、まず「録音」に必要なのはレコーダー、またはパソコン。マイクは別途用意してもいいし、レコーダーやパソコンの内蔵マイクを使っても構いません。次に「編集」ですが、Audacity や Mac の場合なら GarageBand などを使って、トークの一部をカットしたり、BGM を加えたり、音量や音質を調整して書き出します。そして書き出された音声ファイルを、配信に適したビットレートやサンプルレートの MP3 や AAC フォーマットに変換するのが「エンコード」。エンコードには専用のアプリを使ってもいいし、iTunes でも可能です。エンコード機能を備えた編集アプリを使えば、書き出しの時点で配信用のファイルは完成です。最後にエンコードされた音声ファイルをホスティング・サーヴィスにアップロードして、めでたく配信完了。

‥‥と、昔は結構手間のかかる作業でした。そう、「でした」と過去形で書ける時代になって本当に良かった♪ もちろん今も、昔ながらの方法で質の高い番組を配信している人が大勢いますし、細部にまで神経の行き届いた番組を目指すならば、1つ1つの工程を丁寧に作業する必要があるでしょう。ただ、手間や時間をかける事で「音声の鮮度」が落ちてしまう、という問題にぶつかります。面倒な作業を行なう過程で「いま言いたい」「いま聴いてほしい」という衝動は、見る見る色褪せて行ってしまいます。せっかく始めたポッドキャストも、こんな経験を何度も繰り返していると長続きしません。

昔は「音声ブログ」などと表現される事もあったポッドキャストですが、今や我々の発信スタイルはブログから SNS へ、使用するツールもパソコンからスマートフォンへと移り変わりつつあります。そうなるとポッドキャストの配信も「スマホだけで完結させたい」「Twitter や Instagram のように手軽な方法で配信できないの?」と考えるのが自然な流れです。


そんな「スマホ完結型ポッドキャスト」を望むアナタに、ご紹介したいサーヴィスが2つあります。どちらも海外のホスティング・サーヴィスですが、無料のアプリを入れるだけで、スマホがポッドキャスト配信ツールに生まれ変わります。機能が多彩過ぎてちょっと取っつきにくい印象を持たれるかも知れませんが、使い方次第で「録音 → 編集 → エンコード → アップロード」をほとんど意識する事なく「喋ってポン」の配信が完結します。

Anchor

他の配信者やリスナーから音声メッセージを送ってもらい、その音声を自分の番組で流す事ができたり、Spotify や AppleMusic から音楽を引っ張って来たり(著作権の関係で曲はポッドキャスト配信されませんが、アプリ内でストリーミング再生した時だけ聴く事ができます)、BGM や場面転換用の音楽もあらかじめ何種類か用意されていたりと、ユニークな機能がテンコ盛り。しかも無料で配信可。

Spreaker

聴く用アプリ(Spreaker Podcast Radio)と、配信アプリ(Spreaker Studio)に別れており、配信アプリはスマホの他、Mac 版と Win 版も用意されています。Skype と連動できたり(パソコン版のみ)、ジングルや効果音のポン出し機能もあります。そして特筆すべきは「生配信」にも対応している点で、実は筆者も「ナマヒゲ」という生番組を Spreaker を使って配信していたりするんですが、生で配信した番組をそのままポッドキャスト配信する事もできます。こちらも無料で配信可(1ファイル15分まで、ストレージ5時間分の制限あり)ですが、制限なしの有料プランも用意されています。