【 Podcast 】アートワークを味方につけよう(後編)

前編では「アートワークの重要性」を力説しましたが、いざオリジナルの画像を作るとなると、多少のノウハウやデザインセンスが必要になります。ちょっとハードルが高いかも知れませんが、無料で使える写真やグラフィック素材を配布している Web サイトもありますので、そういったサーヴィスで画像を探してきて、そこに番組タイトルやキャッチフレーズなどを入れるだけで、そこそこ立派なアートワークができちゃったりします。また、デザインの心得がありそうな知り合いに頼んでみるのもいいかも知れませんね。


ただ、ポッドキャスト用のアートワーク作りには、押さえておくべきポイントがいくつかありますので、まずは Apple が推奨するアートワークの条件を確認しておきましょう。


これは【 iTunes Connect リソースとヘルプ 】に掲載されている、ポッドキャスト用アートワークの仕様書です。日本語のマニュアルが見つからなかったので、これを翻訳してみます。

なぜアートワークが必要なのですか? どのサイズのファイルが必要ですか?

高品質のアートワークは、あなたのポッドキャストへの新規加入者を魅了します。アートワークの一部としてタイトル、ブランド、またはソース名を含めることをおすすめします。
アートワークは、JPEG または PNG ファイル形式で、最小サイズが 1400 x 1400 ピクセル、最大サイズが 3000 x 3000 ピクセル(72dpi)の RGB カラースペースでなければなりません。

「えーっ! こんなに大きな画像が必要なの?」と驚かれたかも知れませんが、たしかに「3000×3000ピクセル」はかなり巨大です。つい何年か前までは、確か「1400×1400」が推奨されていたはずですし、筆者がポッドキャストを始めた2005年当時は「500×500」がスタンダードでした。パソコンやスマートフォンのディスプレイが年々高解像度化している事や、Apple TV などのテレビ受像器と連動したサーヴィスが出現した事などが理由かも知れませんが、とにかく今のポッドキャストにはベラボーに大きな画像が必要とされます。

「こんなに大きな画像を用意するの無理!」という声が聞こえてきそうですが、もし小さな画像しか用意できなかった場合でも、最低「1400×1400ピクセル」の基準はクリアしておきたいものです。1400すら難しい時は、多少画像が粗くなりますが元ファイルを拡大しちゃっても構いません。どっちみちパソコンやスマートフォンの画面に表示される際は、縮小表示されるので多少のアラは意外に目立ちません(笑)ま、キレイな画像で作るに越した事はありませんが。

さて、前回は「アートワークには番組用と音声用の2種類あります」と書きました。番組の顔とも言えるのが番組用アートワーク。エピソードの顔として機能するのが音声用アートワークです。本来はこの2つを上手に使い分けるのが理想ですが、新しいエピソードを配信するたびにアートワークを作るのも大変なので、全部引っくるめて1つのアートワークで行っちゃえ! というポッドキャスターも大勢いらっしゃいます。番組用アートワークは、配信に使っているホスティング・サーヴィスにアップすればオッケーですが、音声用アートワークは、そのつど音声ファイルに埋め込む必要があります。


まず、ホスティング・サーヴィスにアップするアートワークですが、たとえば「Seesaa ブログ」の場合「設定 → 詳細設定 → ポッドキャスト」の「ポッドキャスト用画像」という欄で設定できます。他のホスティング・サーヴィスをお使いの場合も、アートワーク用の設定項目が用意されているはずなので探してみてください。


次に音声用アートワークの埋め込みですが、iTunes を使うのが最も簡単です。まず音声ファイルを iTunes に放り込み、そのファイルを選択した状態で「編集 → 曲の情報」を選ぶか、右クリックで「曲の情報」を呼び出すか、Mac をお使いの場合ならショートカット「⌘+i」で情報ウィンドウを開きます。ウィンドウ内に「アートワーク」という項目がありますので、そこに画像をドラッグ&ドロップして「OK」をクリックすれば埋め込み完了です。